【導入事例インタビュー】
「昨日の会話と混ざってしまう」――記憶頼みだったIC記録を変えたAI音声要約ツール『カタナシ』
「記録を書くために患者さんから離れるのではなく、患者さんと向き合うために記録を残す。AIは仕事を奪うものではなく、大切な時間を取り戻してくれる存在です」
――そう語る、医療法人社団 広瀬病院の長田看護師長。平均50代中心、ITが苦手なベテラン看護師たちが、最初は「無理」と拒絶したAIツールをなぜ今では自ら進んで活用しているのか。現場のリアルな挫折と、劇的な変化の舞台裏を伺いました。
病院概要
・医療法人社団 広瀬病院(療養病棟)
・看護師長 長田 美智 氏
「AIなんて無理」――平均50代・ITが苦手な現場からのスタート
Q. 理事長から「カタナシを使ってみてほしい」と言われたとき、正直なところどう思われましたか?
正直なところ気が進みませんでした。
私たちの病棟は50代の看護師が中心です。電子カルテは使っていますが、それ以外の新しいITツールに触れる機会はそれほど多くありません。ましてやAIです。
「ただでさえ忙しいのに、新しいものを覚えたら余計に仕事が増えるんじゃないか」
そんな不安のほうが大きかったのを覚えています。病棟内でも同じような声がありました。
「AIに仕事を取られるような気がする」「自分が聞いたことは自分で記録したい」――そんな抵抗感を持つスタッフも少なくありませんでした。
最初は正直、使えないと思いました。でも、本当の課題は別にあったんです
Q. 導入してすぐ、思ったように活用できたのでしょうか?
療養病棟では患者さんとの会話が中心になります。最初は患者さんとの会話記録に活用できないかと考えました。
しかし実際に試してみると、電波状況の問題もありましたし、療養病棟特有の環境では期待していたほど活用できませんでした。「これはうちでは難しいかもしれない」そう感じた時期もありました。
ところが、その印象を大きく変えた場面がありました。それがインフォームドコンセント(IC)です。
【一番の課題】昨日の記憶と混ざり合う、業務後の「IC記録」が病棟全体の大きな負担だった
Q. 当時の業務の中で、一番病棟の負担になっていたのはどの部分だったのですか?
当院の療養病棟ではICが非常に多く行われます。医師が患者さんやご家族へ病状説明を行う時間は、1回10〜20分ほどです。
しかしICはナースステーションで行われることが多く、その間もナースコールは鳴ります。患者さんやご家族から声を掛けられることもあります。看護師は途中で席を外さなければならないことも少なくありません。
そのためICの内容をその場で整理して記録することが難しく、記録作成は業務終了後になることがほとんどでした。一日の業務を終えた後、パソコンの前に座りながら思い出すんです。
「あの時、先生は何と言っていただろう」
「ご家族はどんな表情だっただろう」
「これは今日の会話だったかな、それとも昨日だったかな」
昨日の会話と混ざってしまうこともあります。本当に正しい内容を書けているのか不安を抱えながら記録していました。これは病棟全体の課題でした。
AIが記録してくれる安心感。1回30分の「思い出して要約する時間」がゼロに
Q. 実際にICの現場で『カタナシ』を使ってみて、一番驚いたことは何ですか?
一番驚いたのは、記録そのものより「思い出そうとする時間」がなくなったことでした。
看護師が途中で席を外しても、医師とご家族の会話はそのまま記録されます。業務後に思い出しようとする必要がありません。
記録を見返すと、「そういえばこんな話をしていた」「ご家族はここを心配していたんだ」という内容が正確に残っています。これまで記憶に頼っていた部分が、確かな記録として残るようになりました。
スタッフからは、「今まで30分くらいかかっていた要約作業がすぐ終わるようになった」という声も上がっています。
業務効率化の先にある真の価値。本当に変わったのは「患者さん・ご家族との向き合い方」
Q. 業務が早く終わるようになったこと以外にも、効果はありましたか?
時間短縮だけではありません。私たちが一番価値を感じているのは、ご家族への関わり方です。
ICの内容が早い段階で病棟全体に共有されるため、「先生からこう説明されたんですね」「その後、お気持ちはいかがですか」という声掛けが自然にできるようになりました。
ご家族が何に不安を感じているのかを把握した上で関われるため、以前よりも寄り添った対応ができていると感じています。
「カタナシ、優秀だね」――AIを嫌がっていたベテラン看護師が変わった瞬間
Q. 最初は「使いたくない」と言っていたスタッフの皆さんの反応は、どう変わっていきましたか?
印象的だった出来事があります。あるスタッフは最初、「AIなんて使いたくない」と言っていました。「自分で聞いたものは自分で書きたい」そう考えていたのです。
そこで、「一回だけ使ってみて」とおねがいしました。すると使った後の感想は全く違いました。
「カタナシ、優秀だね」
最初はAIに否定的だったスタッフから出たその言葉が、私にはとても印象的でした。30分かかっていた要約作業が短時間で終わり、「その時間を患者さんのケアに使えるようになった」からです。今ではAIを否定するどころか、積極的に活用しています。
AI導入で大切なのは機能ではなく安心感。医療の質を高めるための時間を取り戻す
Q. 最後に、これから医療現場へAIを導入しようとしている方々へメッセージをお願いします。
私たちのような世代にとって、AIはまだまだハードルが高い存在です。だからこそ、「何を押せばいいか」「次は何をすればいいか」が分かりやすくなれば、もっと多くの人が使えるようになると思います。AIの性能だけではなく、現場で働く人が安心して使えること。それが普及には欠かせないと感じています。
カタナシを導入したことで、私たちは単に記録業務を効率化できただけではありません。記録への不安が減り、ご家族との情報共有がスムーズになり、患者さんに向き合う時間が増えました。最初は「AIなんて無理」と思っていた私たちでも使えています。
「記録を書くために患者さんから離れるのではない、患者さんと向き合うために記録を残す」
カタナシを導入したことで、その順番が少し変わったように感じています。だからこそ今は、AIは仕事を奪うものではなく、患者さんのための時間を取り戻してくれる存在だと感じています。
【コラム】医療現場にAIがなじむ理由――大切なのは「すごいAI」よりも「使い続けられるAI」
AI音声要約ツールを導入する際、どうしても注目されやすいのは、機能の多さや要約精度、価格といった分かりやすい比較項目です。もちろん、それらは重要です。
しかし、医療現場で本当に大切なのは、導入したあとに「現場の人が無理なく使い続けられるかどうか」です。
どれだけ多機能なツールであっても、操作が複雑で、使うたびに迷いが生じるようでは、忙しい現場にはなじみません。反対に、導入しやすい価格であっても、要約後の修正に時間がかかれば、「これなら自分で書いたほうが早い」と感じられてしまいます。
● 利用医療機関の声から見えてきた、AI定着の本当のポイント
カタナシを利用されている複数の医療機関への聞き取りから見えてきたのは、AIが現場に定着するかどうかは、ツールの性能だけでは決まらないということでした。
大切なのは、現場ごとの業務や不安に合わせて、使い方を一緒に見つけていくことです。
● 最初から順調ではなかった広瀬病院様のAI活用
広瀬病院様の事例でも、最初からAI活用が順調に進んだわけではありません。平均50代のベテラン看護師が中心の現場では、新しいITツールやAIへの抵抗感がありました。「AIなんて使いたくない」「自分で聞いたものは自分で書きたい」という声もありました。
また、最初に試した患者さんとの日常会話の記録では、思うように活用できない場面もありました。AIは、すべての業務に最初から万能に使えるものではありません。
それでも、病棟の中で大きな負担となっていたIC記録に使ってみたことで、カタナシの価値がはっきりと見えるようになりました。
● IC記録で見えた、カタナシの本当の価値
業務後に記憶をたどりながら記録する時間が減る。
昨日の会話と今日の会話が混ざってしまう不安が軽くなる。
ICの内容が早い段階で病棟全体に共有される。
その結果、ご家族への声掛けもしやすくなる。
つまり、カタナシの価値は、単に「記録時間を短くすること」だけではありません。記録に追われていた時間や不安を減らし、患者さんやご家族と向き合う時間を取り戻すことにあります。
● 完璧な準備よりも、小さく試せることが大切
AIが現場になじむために、病院側が最初から完璧な準備をする必要はありません。
最初からすべての業務に使おうとしなくてもいい。
まずは、負担が大きい業務で試してみる。
使いながら、「この場面ではこう話すと記録しやすい」と少しずつ分かってくる。
たとえば「ここが痛い」ではなく「肩が痛い」と伝えるだけでも、あとから見返したときの分かりやすさは変わります。
● 現場任せにしない、MDVとAIBORNの伴走サポート
こうした小さな工夫は、現場だけに任せるものではありません。
カタナシでは、開発を担うAIBORNと、医療現場との接点を持つMDVが連携しながら、導入後の運用まで丁寧にサポートします。単にツールを提供して終わるのではなく、どの業務で使うと効果が出やすいのか、どのように使えば現場に負担なくなじむのかを、医療機関ごとの状況に合わせて一緒に考えていきます。
AIに詳しい一部の人だけが使える状態では、病棟全体の業務改善にはつながりません。ITが得意ではないスタッフでも日常業務の中で使えること。そして、現場の不安や戸惑いを置き去りにせず、使いながら少しずつ運用を整えていけること。それが、医療現場でAIが使われ続けるためには欠かせません。
● 医療現場に必要なのは、使い続けられるAI
医療現場に必要なのは、単に高機能なAIではありません。
毎日の業務の中で無理なく使えること。
使った人が「これなら続けられそう」と感じられること。
困ったときに、現場の状況を理解したうえで相談できる相手がいること。
そして、生まれた時間が医療本来の価値に戻っていくこと。
カタナシは、医療現場に難しいAI活用を求めるツールではありません。AIBORNのAI技術と、MDVの医療現場への理解・サポートを組み合わせることで、記録の負担を少し軽くし、情報共有を早め、患者さんやご家族と向き合う時間を生み出すためのAI音声要約ツールです。
広瀬病院様をはじめとする利用医療機関の声は、AIが現場に入り込むために必要なのは、大きな変革ではなく、日々の業務に自然になじむ使いやすさと、使い続けるための丁寧な伴走なのだと示しています。
【製品紹介】医療現場のタスクシェアを加速する音声AIツール「カタナシ」現場目線の4つの強み
広瀬病院のベテラン看護師たちをも虜にした医療用AI音声要約ツール「カタナシ」には、日々の業務負担を劇的に減らし、患者ケアに集中するための4つの特徴があります。
1. 方言混じりの会話も、標準語の「カルテ用テキスト」に自動で正確に要約
一般的な音声認識ツールでは誤変換が起きやすい「医療専門用語」や「医療略語」に完全対応。さらに、地域特有の方言や英語・中国語などの多言語も、標準語に変換した上で正しく要約するため、聞き直しや修正の手間を最小限に抑えます。
2. システム部門との面倒な調整不要!バーコードを「ピッ」とするだけでカルテ転記完了
要約されたテキストは、画面上に二次元バーコードとして表示されます。それを電子カルテ端末のバーコードリーダーで読み取るだけで、直接カルテへ簡単に転記が可能です。院内のカルテシステムを書き換える開発費用や手間がかからないため、今の環境のまま即座に導入できます。
3. 初診、申し送りからカンファレンスまで「あらゆる現場の記録」に対応
IC(インフォームドコンセント)だけでなく、初診・再診、電話対応、在宅医療、回診など幅広い診療現場に対応。「ISBAR」や「IPASS」などの医療用標準形式での申し送り作成補助機能や、インシデント用の「I/Aレポート」補助機能も搭載しており、チーム医療の質を高めます。
4. 手間ゼロで最短2営業日スタート!万全の国内セキュリティと定着サポート
専用機器の購入は一切不要。お手持ちのスマートフォン、タブレット、PCのブラウザからすぐに利用可能です。データは国内サーバーで徹底して暗号化・管理されているため、個人情報への配慮も万全。全国1,400以上の病院実績を持つメディカル・データ・ビジョン株式会社(MDV)の専門スタッフが、現場への定着まで手厚くサポートします。
まとめ(MDV総括)
広瀬病院様の事例で印象的だったのは、「AIを導入したこと」ではなく、「最も困っていた業務(IC記録)に絞って活用したこと」でした。日常会話の記録では難しかった活用も、明確な課題に適用することで大きな効果を発揮しました。
ツール選びにおいて、スペック上の多機能さや目先の安さに引っ張られてしまうケースは少なくありません。しかし、全国の利用者の声が示す通り、現場でプロンプトを操れなければ形骸化し、要約精度が低ければ結局は使われなくなります。
「医療現場で実際に運用が回る、唯一無二のツールを選ぶこと」。これこそがAI導入を成功させる絶対条件です。カタナシによって生まれた「1回30分の余裕」が、ご家族への丁寧な関わりや、患者さんと向き合うという医療本来の価値へと還元されていくのです。
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