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データベース構築とは?メリットや構築の流れを解説#007

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ビッグデータの活用が重要視される現代では業務で扱う情報も多岐に渡ります。
業務をスムーズに遂行するためには、情報を効率よく扱うことが求められており、それは病院や介護施設などでも同様です。

情報を効率よく管理するためにはデータベースの構築が欠かせません。
この記事ではデータベース構築の基本や、そのメリットについて分かりやすく解説します。

データベースは体系的に整理された情報の集合体

はじめにデータベースとは何かということについて説明します。
データベースとは、一定のルールに基づき体系的に整理された情報の集合体のことです。
単に情報を集めただけではなく、必要に応じて情報の取り出しができるよう管理されている必要があります。

現在においては主にコンピュータ上で扱うことができる情報群を指しますが、住所録や電話帳のように紙媒体の情報であってもデータベースであることには変わりはありません。
また、コンピュータ上でデータベースを管理するシステムであるDBMS(Database Management System)を指して「データベース」と呼ぶこともあります。

病院や製薬会社などにとっても、データベースは欠かすことができません。
膨大な量の診療情報や調剤情報等をデータベース化することは、今後の医療分野の発展、創薬プロセスの効率化に大きな役割を果すでしょう。

データベース構築の目的と種類

データベース構築の図

データベース構築とは、データベースをコンピュータ上で管理するためのシステムを構築することです。
その方法は大きくクラウド型とオンプレミス型の2つに分けられます。

ここではデータベース構築の目的、またクラウド型とオンプレミス型それぞれのデータベースの違いについて見ていきましょう。

データベース構築の目的は情報管理の作業負担軽減

データベース構築の目的は、コンピュータ上における情報の整理や蓄積を自動化し、人間の作業負担を軽減させることにあります。
コンピュータへの情報入力など一部の作業は人間が行う必要はありますが、紙面上での情報管理と比べるとその労力の差は歴然です。

データベース構築の際には先述したDBMS(データベース管理システム)が利用されます。
DBMSの機能によりビッグデータのような情報であっても体系的に整理・蓄積させていくことが可能です。

また、状況に応じて必要な情報をすぐに取り出せるため、情報の分析や活用の幅も広がります。

DBMSの分かりやすい例が、小売業で使用されるPOS(販売時点情報管理)システムです。
商品販売時にレジでバーコードをスキャンすることで「いつ」「どこのお店で」「どの商品が」「何個売れたか」という情報が自動的にシステムへ蓄積されるため、従業員が手書きで帳簿を付ける必要はありません。
また、POSのデータベースにアクセスすれば販売履歴などの情報も簡単に取得できます。

クラウド型は外部サーバーを利用するデータベース

クラウド型のデータベース構築とは、ベンダーが管理する外部サーバーを利用してデータベースを運用することです。
サービス内容やセキュリティ強度はベンダーに依存することから、満足な成果を出すためには事前の業者選定が重要となります。

クラウド型データベースの特徴として以下の5つが挙げられます。

  • 導入コストが低い
  • 短期間で導入できる
  • メンテナンスの手間がかからない
  • セキュリティ対策はベンダーが実施する
  • 必要に応じてストレージの容量を変えられる

クラウド型データベースでは、自社サーバーの設置やシステム構築が不要であり、低コストかつ短期間でデータベースの導入ができます。
また、自分たちでメンテナンスをする必要がないので、専門知識を持ったエンジニアがいない小規模事業者でも運用することが可能です。

また、情報の安全性についてもベンダーが常時セキュリティ対策を行っており、自社で特別な対策を講じる必要はありません。
以前であれば「クラウドはセキュリティが脆弱」といわれることもありましたが、各分野でクラウドサービスが広く普及した現在では安全性も向上しています。

ただし、クラウド型データベースのセキュリティ対策はベンダーに依存するため、必ずしも自社のセキュリティポリシーに合致するとは限りません。
自社で定めるルールに則って運用できるかという点も業者を選ぶポイントになります。

オンプレミス型の自社サーバーに構築するデータベース

オンプレミス型のデータベース構築とは、自社サーバー内にデータベースを構築することです。
既製のシステムを利用するクラウド型とは異なり、自社の業務目的に最適化されたシステムを構築できるという特徴がありあます。

オンプレミス型データベースの特徴は以下の2点です。

  • 務内容に合わせてカスタマイズできる
  • 外部ネットワークの影響を受けにくく、セキュリティ性が高い

オンプレミス型のメリットは、業務内容や使用目的の変化に合わせてシステムをカスタマイズできることにあります。
社員の要望に合わせて機能を追加していくことも可能です。

また、自社サーバーを使用していることから外部ネットワークの影響を受けにくく、サイバー攻撃やハッキングにも強いというメリットもあります。

一方、オンプレミス型のデメリットはシステムの導入に手間と時間がかかること、高額な初期コストが必要であることです。
また、機材やシステムの保守費、サーバールームの賃料、エンジニアの人件費といった付帯コストも発生します。

現在ではクラウド型データベースのセキュリティも向上しており、オンプレミス型の優位性は薄れつつあります。
しかし、どちらが優れているかは運用目的によって異なるため、データベース構築に当たってはどちらの方式を採用するか十分に検討しましょう。

データベース構築の3つのメリット

データベース構築には以下のようなメリットがあります。

  1. データ管理が一元化できる
  2. 情報が探しやすくなる
  3. 情報の共有ができる

個別に管理されていた情報をデータベース化することにより、業務効率が飛躍的に向上することが期待できます。

1. データ管理が一元化できる

データベース構築による1つ目のメリットは「情報の一元化によりデータ管理がしやすくなる」ことです。
関連する情報を紐づけて集約することにより、複数の情報を一括で管理できるようになります。

情報の分散を防ぐことは、情報のセキュリティ向上にもつながります。
また、データベース自体をバックアップすることで大量の情報をまとめて保存できるため、リスクマネジメントにも有効です。

2. 情報が探しやすくなる

2つ目のメリットは「必要な情報がすぐに探せる」ことです。
データベースには大量の情報が保管されていますが、条件を指定して検索をかけることで必要な情報だけを抽出することができます。

また、単に該当する情報を表示するだけではなく、特定のフォーマットに沿ってデータを抽出することも可能です。
情報分析の機能を備えたDBMSであれば、レポートや表に加工して情報を表示させることもできます。

3. 情報の共有ができる

3つ目のメリットは「情報の共有ができる」ことです。
データベースはサーバー内に構築されるため、該当のサーバーに接続可能な通信端末を所持しているユーザーであれば全ての情報を共有することができます。

また、データベースでは同時に複数人がアクセスしてもデータが破損することはありません。
近年ではタスクの処理をスケジューリングして負荷を回避し、多人数の接続にも耐えられるデータベースも登場しています。

データベース構築の流れ

データベースを構築する際は作業の流れを理解し、計画的に実行することが大切です。
実際には各プロセスで複雑な作業が発生しますが、ここでは大まかな内容にまとめて分かりやすく解説します。

1. 調査・分析

データベースを構築するにあたり、はじめに対象となる情報の調査・分析をします。
業務内容やデータの流れを分析し、必要となる情報を洗い出していきましょう。

そのあとはシステム構築の企画となる「概念データモデル」を作成します。
概念データモデルとは対象となる情報の関連性を表現した図であり、簡単にいうとデータの見える化です。

データベース構築ではどのような表を作るか、各表の列構成をどうするか、各列の属性はどうするかなどを決めていきます。

2. 設計・開発

概念データモデルを基に、分析したデータをパソコンでどのように処理をさせるか検討し、実際にデータベースを構築していきます。

構築したばかりのデータベースは情報が空の状態です。
必要な初期情報は予め外部ファイルにまとめておき、構築したデータベースに格納します。

3. テスト

初期データ格納後は実際にデータベースを運用し、仕様通りに作動するかテストを重ねていきます。
外部データから正しくインポートされているか、条件を指定して想定通りのデータが抽出されるかなどを確認し、実際の業務に耐え得るシステムへ調整していきましょう。

4. 運用・保守

データベースを安全に運用するためには、日々の管理と定期的な保守が必要です。
利用状況やサーバーの負荷状況の確認、システムダウンした際の対応、セキュリティ管理などをする担当者を配置し、快適に運用できる体制を整えましょう。

データベース保全のため、定期的にバックアップをすることも大切です。

医療業界におけるデータベース構築と活用方法

医療業界におけるデータベースの活用事例について解説します。
近年ではビッグデータを医療に役立てる動きが活発ですが、その根底にあるのは膨大な情報が蓄積された医療データベースの存在です。

医療データベースの活用は新たな治療法の確立や新薬の開発といった医療の発展に寄与するでしょう。

1. 医療現場での活用方法

医療現場では、データベースに蓄積された情報が病気の予防や早期発見に役立てられています。
ビッグデータの分析により、多くの症例を分析できるようになったことで、その病気が持つリスクがより正確に把握できるようになりました。

なお、医療データベースから情報を収集し解析することをデータヘルス分析といいます。
病院やクリニック、介護施設などから集積された情報を分析することにより、新たな治療法の発見や健康寿命の延長といった成果が生まれることが期待されます。

2. 新薬開発における活用方法

製薬会社の新薬開発にも医療データベースは活用されています。
新薬の開発は決して簡単なものではありません。

研究対象とする物質の特定には膨大な量のデータ解析やシミュレーションが必要であり、そもそも開発に成功する確率も低いという問題があります。

医療データベースを活用することにより、研究の対象物となる物質の絞り込みやデータ解析の効率を高め、新薬開発のプロセスをスムーズに進行させることができるようになりました。
新薬の開発速度が向上することは開発コストの削減にもつながっています。

データベース構築により業務効率の改善に繋げよう

データベース構築とは、膨大なデータをサーバーに保存し、コンピュータ上で管理できるようにするものです。
業務で扱う情報をデータベース化することで、必要な情報へすぐにアクセスできるようになります。

医療業界においてもデータベースに蓄積されたビッグデータはなくてはならないものです。
データベースの構築によりあらゆる医療の現場で業務効率が改善されることが期待されるでしょう。

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