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医薬品マーケティングとは?製薬会社におすすめの手法を解説#043

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医薬品マーケティングとは創薬のプロセスで製品価値を最大化する取り組みのことです。従来はMR(医薬情報担当者)の営業が主流であったものの、新型コロナウイルスの影響もあり、Webマーケティングの活用が注目を集めています。本記事では製薬会社の現状と医薬品マーケティングの種類、おすすめの手法を解説します。

製薬業界の現状

新型コロナウイルスの影響によって、多くの人が医療の受診を控える状況になりました。それは製薬市場の停滞も促し、製薬業界の減収減益につながっています。また、MRの活動も規制強化と新型コロナウイルス感染拡大、2つの影響から苦戦を強いられています。

厚生労働省は2019年、発表医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインを発表しました。このガイドラインではMRが提供できる情報など、さまざまな制限がされており、その結果、従来どおりのMRの活動が困難になっています。

また新型コロナウイルス感染拡大により医療機関が患者以外の訪問を制限したことで、MRの訪問も、医師と密なコミュニケーションを取れず営業のきっかけがつかめないMRが増えています。

製薬業界におけるマーケティングの考え方

製薬業界におけるマーケティング

製薬業界のマーケティングは、SoV戦略かポジショニング戦略のいずれかが主流で、MRが担うのが一般的です。

SoV戦略

SoV戦略とは、訪問数(コール数)と製品説明数(ディテール数)を増やし売上につなげる方法です。生活習慣病治療薬など効果や安全性が同業他者と同等程度の製品で採用されます。売上はMRの活動量に比例するため、KPIの設定や管理も容易です。また、MRと医師の関係が良好であれば、新薬を採用されやすいなどのメリットも生まれます。

しかし、売上はMRの活動量と質に左右されるため、コロナ禍の現在のように行動が制限されると成果は上げづらくなります。医師との関係にも影響を受けるのでどちらかの移動や転勤により売上が低下する懸念があります。

ポジショニング戦略

ポジショニング戦略とは、同業他社と比べた効果や安全性の高さから売上を伸ばす方法です。ガンや免疫疾患など専門性の高い病の治療薬で取られます。

売上は自社製品の位置づけに左右され、とくに第一選択薬のポジションを確立できれば売上に大きく貢献可能です。また、マーケティングでは臨床データが重要なためMRと医師との関係性に左右されず売上が安定するメリットがあります。しかし、同業他社と同程度の医薬品の場合、ポジショニング戦略は差別化が難しい難点があります。また、臨床データを含む製品の説明をMRがする場合、個人のスキルに依存する点もデメリットです。

なお上記は一例であり、ほかにも取り入れられる手法はあります。

製薬業界で注目されているマーケティング手法

最近では製薬業界でもWebを活用したマーケティング戦略が注目を集めています。Webであれば、MRに代わり情報を発信し続けることが可能です。ここでは4つご紹介します。

【創薬マーケティング】ビッグデータの活用

1つ目はビッグデータの活用したマーケティングです。創薬には多くの時間とコストがかかり、成功率も極めて低いのが現状です。とくに特定の疾病に対する候補化合物の絞り込みは研究者の勘や経験に依存することも多く、非効率的になりやすい部分です。創薬の領域にビッグデータとAIを活用すれば、データに基づく化合物の絞り込みができ創薬の効率化につながります。

【創薬マーケティング】EBMの活用

2つ目はEBMを活用したマーケティングです。EBMは一般的に、「入手可能で最良の科学的根拠を把握した上で、個々の患者に特有の臨床状況と価値観に配慮した医療を提供するための一連の行動指針」などと定義されます。創薬マーケティングでは、EBMの中でも実臨床データを活用したマーケティング方法です。実臨床データの活用により、治験では発見できなかった効果や副作用を検知し新薬の改善に役立てます。

【認知マーケティング】コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値あるコンテンツを作成し発信し続けるマーケティング方法です。医師も患者も処方薬などの情報をインターネットで収集する現代では、製薬会社が良質なコンテンツを発信すれば双方から歓迎されブランド力の強化につながります。

【認知マーケティング】ウェビナー

ウェビナーとは、Web上で実施するセミナーや講演会のことを指す造語です。新型コロナウイルスの影響によりMRの訪問が難しく、Web上でのセミナー動画の配信が人気を集めています。録画型のウェビナーであれば多忙な医師でも内容を確認できます。製薬会社で視聴データの収集もできるため今後のマーケティングに役立てることも可能です。

医薬品Webマーケティングのご相談はMDVへ

医薬品マーケティングはMRが担うのが一般的でしたが、新型コロナウイルスの影響もあり最近ではWebマーケティングが注目を集めています。MDVではビッグデータの提供や診療データベースのWeb分析ツール、オンコロジー領域に特化した分析ツールなど創薬に役立つ製品やサービスを展開しています。製薬業界の市場調査をお考えの際はぜひお気軽にご相談ください。

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