経腟分娩術後の白血球数と母体の有害なアウトカムとの関連: 後ろ向きコホート研究
Daisuke Shigemi, Hideo Yasunaga
題名 | Association of white blood cell count after operative vaginal delivery with maternal adverse outcome: A retrospective cohort study |
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著者 | Daisuke Shigemi, Hideo Yasunaga |
出典 | Annals of Clinical Epidemiology |
領域 | 分娩後合併症 |
Annals of Clinical Epidemiology 2023;5(4):113–120 doi: https://doi.org/10.37737/ace.23015
背景
白血球数は経腟分娩術後の母体の状態を評価するためにしばしば用いられる。しかし、分娩翌日の母体白血球数とその後の母体の有害なアウトカム、特に感染性合併症との関連は不明である。本研究の目的は、経腟分娩術翌日の母体白血球数と、それに続く母体の有害なアウトカムとの関連を検討することである。
方法
本研究は、日本における保険請求データ、退院サマリー、検査値を含むMedical Data Visionのデータベースを用いた後ろ向きコホート研究である。2011年12月から2020年11月までに、白血球数の検査データがある経腟分娩手術を受けた全患者を同定した。主な複合アウトカムは、母体の有害アウトカムとし、母体の損傷に対する追加治療、産後の抗生物質静注使用、入院中の集中治療室使用からなる。白血球数と主要アウトカムとの間の非線形関係を調べるために、制限付き三次スプライン分析をした。
結果
主要アウトカムが発現した73例を含む485例が適格であった。全対象女性における分娩翌日の白血球数の中央値(四分位範囲)は15,170(12,610~18,300)/mLであった。制限付き三次スプライン解析では、白血球数と主要アウトカムとの有意な関連はみられなかった。
結論
経腟分娩術翌日の白血球数と、入院中の母体の有害なアウトカムに有意な関連は認められなかった。