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データ活用とは?メリットや業界ごとの活用方法を解説#005

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デジタル化が進み、ビジネスの世界でも膨大な量のデータが生みだされています。これらのデータを分析し、ビジネスに活かす「データ活用」が、多くの企業で取り入れられています。

効率よくデータ活用を進めるためには、業界ごとにメリットや活用方法を押さえておくことが大切です。

データ活用とは

データ活用とは、企業活動のなかで継続的にデータを用いて、業務の効率化や生産性の向上など事業に役立てることをいいます。

最近、データドリブン(Data Driven)という言葉を耳にする機会が増えました。データドリブンとは、今までの経験や勘だけに頼らず、データに基づいてビジネスの意思決定や課題解決をすることをいいます。

データ活用は、データドリブンの実現に欠かせない手段のひとつです。

総務省の「デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究(2020)」によると、大企業で約9割、中小企業でも半数以上がビジネスでデータを活用していると報告しています。データを活用した各企業の取り組みは、ますます活発になっているといえるでしょう。

データ分析とデータ活用の違い

データ分析とデータ活用の違いの図

それでは、データ分析とデータ活用は一体何が違うのでしょうか。データ分析とデータ活用それぞれの目的から、その違いを解説します。

データ分析の目的

データ分析の目的は、データから知りたい情報を得ることにあります。

データはそのままだと、ただの数字や文字の寄せ集めでしかないため、情報を得やすいようにデータを加工しなければなりません。たとえば、グラフにすることでデータが可視化され、分析しやすくなります。

さらに、規則性や異常値、相関・因果関係などを探ることで、データが初めて意味を持つようになるのです。

データ分析には、統計学の知識やデータ加工技術があると、より一層深い分析ができるようになります。BIツールを使用すれば、専門的な知識や技術がなくとも、より高度な分析が可能です。

データ活用の目的

データ活用の目的は、データを用いて事業活動に役立てることです。データ活用を始める前に、データを用いる目的を明確にしておいた方がいいでしょう。

そうすることで、目的達成のためにどういった戦略やアクションを取るべきか、 分析しやすくなります。分析から得られたヒントをもとに、戦略やアクションを起こし、効果の検証をしていく流れです。

この一連の作業を繰り返し、データ活用のPDCAサイクルを回し続けることで、より効果的な戦略やアクションが起こせるようになります。

なお、データ活用には、実務経験によるデータや、マーケティングの知識があったほうがよいとされています。こうしたデータと知識の積み重ねによって、的確な戦略や検証をしやすくなるでしょう。

上述の通り、データ分析とデータ活用は同義ではありません。なぜなら、データを用いる目的が異なるためです。

データ分析が「データ活用に必要な情報を抽出すること」を目的としていることに対し、データ活用は「データ分析に基づいて必要なアクションを起こし、事業に役立てること」を目的としています。

つまり、データ分析はデータ活用をするためのベースなのです。

また、両者は求められるスキルにも違いがあります。データ分析では統計学といった数字を加工する専門的なスキルが求められるのに対し、データ活用では実務経験に基づいた知識量やマーケティング経験といった戦略や検証をする上でのスキルが求められます。

なお、最近では、データ分析はBIツールといった機械に任せ、データ活用は人間が担うといった企業も増えています。

データ活用のメリット

データ活用がビジネスにもたらすメリットはどんなものがあるのでしょうか。

とくに効果が大きな3つのメリットについて紹介します。

1. 現状把握や将来予測に役立つ

まず、データ活用によって、現状把握や将来予測が可能となる点が大きなメリットです。

的確な経営判断をする上で大切なのが、自社の事業動向を知り、将来のシナリオを描くことです。データ活用によって、短時間で現状を把握することができます。さらに、データに基づいた将来予測も可能です。

たとえば、商品や店舗別の売上情報がリアルタイムで可視化されるようになれば、現状把握も簡単にできるようになります。

また、データに基づく根拠を組み合わせることで、正確に将来を予測できるようになります。

2. 意思決定のスピードが上がる

ビジネスでは、スピード感のある意思決定が大変重要です。しかし、今までの経験や勘といった個人の主観で意思決定をしようとすると、周囲と認識を共有するのに時間がかかってしまいます。

さらに、その決定が相応しいかどうかの検証もしづらく、これではスピード感のある意思決定ができません。

意思決定の際にデータを活用することで、根拠に基づいた意思決定ができる上、周囲と認識を共有しやすくなりスピード感が生まれます。また、将来的に結果の検証がしやすくなるという利点もあります。

3. 新たなビジネスチャンスの発見

データ活用を進めるなかで、新たなビジネスチャンスが生まれることもあります。

単体では意味をなさなかったデータも、ほかのさまざまなデータと組み合わせてダッシュボード化することにより、今まで気付かなかったビジネスの課題が浮き彫りになったり、新商品・新サービスのアイデアにつながるヒントを見つけたりできるようになるかもしれません。

事実、データ活用から生まれた新商品・新サービスは数多くあります。新たなビジネスチャンスによって、自社の売上アップにつながる可能性もあるでしょう。

経営に活用できるデータの種類

自社に蓄積されている膨大なデータは、あらゆるビジネスの場面で活用できます。

実際にどのような業務に活用されているのか、各部門別に見ていきましょう。

営業部門

営業で活用できるデータの種類では、顧客データや商談データ、売上データといったものが挙げられます。

顧客データを年齢や性別または居住地などで分類し、購入志向を分析することで、新規顧客獲得に活用できます。

また、商談データから成功事例を共有することで、会社全体の営業力向上につながることもできます。

マーケティング部門

マーケティング部門で活用できるデータの種類は、顧客データやアンケートデータ、広告データなどがあります。

ECサイトのマーケティング例として、行動ログや閲覧履歴といった顧客データを集め、顧客の好みを分析する事で行動パターンを予測し、顧客のニーズに合わせたおすすめ情報や広告表示に活用されています。

顧客の購買欲を刺激するおすすめ情報や広告を表示することで、売上アップにつなげています。

製造部門

製造部門で活用できるデータの種類では、製品データなどがあります。

ある自動車メーカーでは、電気自動車に搭載されたバッテリーのパフォーマンスが安定しないという課題がありました。

そこで、バッテリーに搭載されているセンサーデータから走行環境や使用状況に応じたパフォーマンスの変化を常時把握することを目指しました。データ活用によって不具合の発生が予測しやすくなり、品質改善につながった成功例です。

業界別のデータ活用方法

最後に各業界でのデータ活用方法を紹介します。

医療業界

医療の現場では、電子カルテや検査・画像診断データ、レセプトデータ・研究データなど、膨大な量の医療データを取り扱っています。

これらのデータを駆使した研究や取り組みが数多く実施されており、医療技術の向上や新薬の開発などあらゆる場面で、データ活用の効果が実証されています。

その一例として、予防医療や病気の早期発見につながるケースが挙げられます。膨大な医療データの中から同じ症状をもつ患者のデータを数多く集めて分析することで、病気の特定や進行具合の判断に役立てているのです。

このように、経験とデータに基づくエビデンスを用いた、より質の高い医療が提供されています。

また、製薬会社の新薬開発にも、データが活用されています。

新薬開発は、非常に多くの開発プロセスが存在するため、膨大なコストと時間がかかるといわれています。データを活用することで、開発プロセスの効率化を図り、新薬開発にかかるコストと時間の削減につなげています。

さらに、膨大な医療データの活用を支援する分析ツールが、医療現場でのデータ活用を後押ししています。診療データベースをもとに、処方日数、処方量などを分析するツールによって、手術や検査など実際の診療行為を起点とした多角的な分析が可能となっています。

製造業界

製造業界では、IoT(Internet of Things)によるデータ活用が進んでいます。IoTから集積されるデータをもとに、工場内にある複数の生産ラインの稼働状況を一元化し可視化することで、一目で状況を把握できるようになるというものです。これにより、進捗管理の効率化や生産性の向上を図っています。

どのくらいの割合で製品のエラーや設備の異常が生じるのか、データ化して分析し、不具合発生の予測にも役立てています。

データ活用はビジネスの成功・問題解決の鍵

データには、ビジネスの成功や改善につながる多くのヒントが隠されています。

これらのヒントをデータ分析によって読み解き、 戦略を立て、検証を繰り返し、事業活動に役立てていくのがデータ活用です。

データ活用によって、意思決定の迅速化や新たなビジネスチャンスの創出などさまざまなメリットが得られるでしょう。実際、データ活用を推進しビジネスで多くの成果を上げている企業は少なくありません。

今後IT化が加速していくなかで、企業におけるデータ活用の取り組みは、より重要となっていくでしょう。

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