コラム

「MDVの提供サービス、サポートについて 方法論・事例」 MDV Inside 第4回

これまでMDVのデータボリュームや過去の歴史についてお話いただきました。今回は、具体的にMDVがアカデミアや製薬企業などに提供しているサービスやそのサポート方法についてお話ください。

中村

製薬企業向けには、主に2つのカテゴリに分けられるサービスがあります。まず、セールスマーケティングなどに活用されるマーケティング系のサービスと、メディカルアフェアーズ・開発部門向けの研究系のサービスです。
マーケティング向けのサービスでは、ウェブツールや個別のアドホック分析などが主なものです。一方、メディカルアフェアーズ向けのサービスでは、データを提供し、自社製品の有効性や有害事象の少なさを示すための研究支援をしています。

当社のようなデータが使えるようになる前は、自社で収集したデータで行う研究が中心でした。データ収集、解析、論文化までの期間が長かった中、当社のようなデータを使うことで論文化までの期間が短くなったことに対する感謝や評価が多かった記憶があります。
対象集団等の定義を変更した再解析が直ぐに行えるのもデータベース研究のメリットと考えています。

MDVの提供サービスの一例

また、アカデミア向けには公衆衛生や薬剤疫学の研究室の方々にサービスを提供しています。こうした研究室では、研究のためにデータベースを活用することが多く。MDVでは、それぞれのリサーチクエスチョンに応じたデータベースを提供し、研究のサポートをしています。
私たちが常に意識しているのは、お客様が何をしたいのか?その正確な把握と、そのニーズと研究内容にズレが無いようサービスを提供することです。なぜなら、先方がお話を伺う時点でデータベース調査の範囲や可能性についてある程度の先入観を持って絞り込んでいる場合もあります。その方法だけが本当に満足できる解決策なのか、もしかしたら他のアプローチや研究方法が必要なのかを確認するために、意識的にお話を伺っています。

先入観についてお話しがありましたが、どのようなケースが多いのでしょうか?

中村

先入観としてよく見られるのは、「データベース研究ではある特定のパラメーターは取得できない」という考え方です。しかし、実際にはデータの取り方次第でその制限はない場合もあります。例えば、オプジーボという抗がん剤が登場した際には、非小細胞肺癌に関する研究が非常に増えました。実際には「非小細胞肺がん」と診断される患者はそこまで多くなく、一方で「肺がん」という病名の下に分類される患者の中には、「非小細胞がん」という情報が病名付加コードとして記載されている場合もあります。そのため、「肺がん」と「非小細胞がん」を組み合わせて「非小細胞肺がん」と判定することができます。
非小細胞肺がんにおけるデータベースからの患者情報取得方法の一例 このように、通常の病名で検索をするとデータ上では約4,000人しか得られない場合でも、そうした設定を行って検索をすることで結果が約4万人になることもあります。つまり、あまり多く存在しないと思われていた研究対象の母集団を大幅に拡大することが可能なケースもあると言うことです。

研究には仮説立案が非常に重要だと思いますが、そうした仮説の検討に対してサポートは提供されていますか?

中村

仮説や研究テーマの立案について、さまざまな形でサポートをしています。当社がデータベース研究に取り組み始めた当初、特に最初の案件では、私たちは単なるサポートの役割以上に、ほとんど一つのチームとして参加していました。
私が最初に共同で取り組んだ研究は、糖尿病患者が引き起こす可能性のある特定の疾患に関するものでした。私はメディカルアフェアーズや統計担当、大学の教授など、5~6人のチームに参加し、データを常に見ながら仮説を立て、活発な議論をしていました。当時、膨大なデータを基にしながら、仮説からさまざまな研究テーマを考えていったことが非常に印象深いです。
あるケースでは、研究テーマに関してある程度の知識を持った方が基本的なデータベース研究の定義を事前に作成されていたのですが、その定義に一部ミスがあり、そのことに他のメンバーも気づけないまま研究が進んでいました。その段階で私たちがサポートを提供し、定義の段階で目標とする結果に直結していないことを指摘しました。
最初の段階で「こういうことをしたい」というご要望を直接お聞きして、一緒に検討させていただけたことが、結果的に目標に近づく近道だったということもあります。

メディカル・データ・ビジョン株式会社 取締役 中村正樹

中村 正樹

2007年10月当社入社、2018年3月取締役就任。入社以来、EBM事業に携わり、データ利活用サービスを拡大・推進、その後、MDVトライアル株式会社において、当社データを活用した新サービス拡大に取り組む。現在は、アライアンス推進室長として、対外企業・組織とのオープンアライアンス戦略を進める。
当社子会社のメディカルドメイン株式会社代表取締役社長を兼任(2021年1月~)
趣味:筋トレ、ウォーキング、お祭り(神輿担ぎ)。休日:子供の水泳教室指導・河川敷で野球練習。

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