免疫チェックポイント阻害剤投与後のエンホルツマブ・ベドチン投与と日本人転移性尿路上皮がん患者の予後:転移性尿路上皮がんにおけるエンホルツマブ・ベドチンの大規模データベース研究
Takashi Kawahara Akihito Hasizume, Koichi Uemura, Katsuya Yamaguchi, Hiroki Ito, Teppei Takeshima, Hisashi Hasumi, Jun-Ichi Teranishi, Kimito Ousaka, Kazuhide Makiyama, Hiroji Uemura
| 題名 | Administration of Enfortumab Vedotin after Immune-Checkpoint Inhibitor and the Prognosis in Japanese Metastatic Urothelial Carcinoma: A Large Database Study on Enfortumab Vedotin in Metastatic Urothelial Carcinoma |
|---|---|
| 著者 | Takashi Kawahara Akihito Hasizume, Koichi Uemura, Katsuya Yamaguchi, Hiroki Ito, Teppei Takeshima, Hisashi Hasumi, Jun-Ichi Teranishi, Kimito Ousaka, Kazuhide Makiyama, Hiroji Uemura |
| 出典 | cancers |
| 領域 | 尿路上皮がん |
Cancers (Basel), 2023 Aug 23;15(17):4227. doi: 10.3390/cancers15174227.
背景
エンホルツマブ・ベドチンは、特にプラチナ系化学療法および免疫チェックポイント阻害剤阻害剤が一次治療として投与された進行性尿路上皮がん患者において、標的療法として期待される薬剤である。EV-301第III相試験*では、標準化学療法と比較して全生存期間と奏効率が有意に改善された。しかし、特に大規模な実臨床下の研究データはまだ十分でなく、日本人患者における有効性をさらに評価する必要がある。
*注:治療歴のある進行尿路上皮癌に対するエンホルツマブ ベドチン | 日本語アブストラクト | The New England Journal of Medicine(日本国内版))
方法
ペムブロリズマブを2次治療として投与された尿路上皮がん患者6,007例を分析した。そのうち、ペムブロリズマブ投与後にエンホルツマブ・ベドチンを投与された患者563例と、ペムブロリズマブ投与後にドセタキセルまたはパクリタキセルを投与された患者443例が、生存期間延長の評価対象とした。
結果
エンホルツマブ・ベドチン群は、パクリタキセル/ドセタキセル群に比べて全生存期間が有意に長かった(p = 0.013、HR:0.71)。多変量解析では、エンホルツマブ・ベドチンの導入が全生存期間の独立したリスク因子であった(p = 0.013、HR:0.70)。がん特異的生存期間では有意な差は認められなかった。
結論
エンホルツマブ・ベドチンは、ペムブロリズマブ治療後の日本人進行性または転移性尿路上皮がん患者において、パクリタキセルまたはドセタキセルと比較して全生存期間を延長した。




