Real World Data(RWD)とは、DPCデータやレセプトデータ、電子カルテデータや健診データ、ウェアラブルデバイスデータなど、臨床現場や日常生活から得られる医療・健康情報を集積したビッグデータです。RWDは現在、医薬品の市場調査や疫学研究、安全性評価など多くの製薬企業やアカデミアでの利活用が進んでいます。
MDVのRWDとは1
時間の連続性=RWDの真価
「治療開始から治療変更、転帰まで」 を点ではなく患者さんの経時的な変化を捉えることで従来は見えなかった臨床の実態が見えてきます。
多くの製薬企業において、RWDの活用はすでに戦略の基盤となっています。市場規模の把握や患者数の推計といった確かな実績に加え、今、RWDはさらに一歩進んだ『次の価値』を生み出すフェーズを迎えています。
RWD本来のポテンシャルは、既存のRCT(臨床試験)では捉えきれない、実臨床における治療の変遷を「長期的な時間の連続性」として追跡できる点にあります。
この時間のつながりを正しく読み解くことで、新たな戦略的アプローチが可能となります。
RWDが導く診療の分岐点とプロセス
治療の分岐点
競合薬から自社薬への切り替え(あるいはその逆)が、どのタイミングで、どのような患者背景を持つ患者において起きているか
診断から処方までの空白期間
診断がついてから実際の治療が開始されるまでに、どのような検査や診療行為が介在し、どれほどの時間を要しているか
実臨床における長期アウトカム
治験の枠組みを超えた日常診療のなかで、製品の長期的な安全性や有効性(臨床検査値の推移など)がどのように現れているか
MDVのRWDとは2
MDVのリアルワールドデータ分析が選ばれる理由
長期フォローアップを可能にするMDVのデータ基盤
医療機関向け経営支援サービスの提供で築いた、継続的な関係に基づき蓄積されたデータにより、患者さんの治療経過を長期間にわたり追跡することが可能です。
平均連続受領期間7年8ヶ月というデータ基盤により、臨床試験では実施が難しい実臨床下での長期アウトカム研究や市場参入前後の傾向把握分析が可能です。
MDVのRWDとは3
MDV RWDデータ活用事例
01
自社製品のポジションをペイシェントフローで可視化
抗がん剤のように複数薬剤の組み合わせが変化するレジメン分析や糖尿病やリウマチのように長期間の治療が必要な疾患では、自社製品が処方されるタイミングやポジションによって、製品戦略をどのように立てるかが重要となります。
治療差別化の戦略に活用
- 使用タイミングの把握:自社製品がどのタイミングで使われているかを可視化
- 治療フローの追跡:どの治療から流入し、どの治療へ流出しているかを明確に
02
診断から処方開始までに介在するアンメットニーズを検証
RWDを活用した治療推進支援
- 治療開始までの日数把握:診断から治療開始までに、どの程度の日数を要しているかを明確に
- 事前プロセスの可視化:治療開始までにどのような検査や診療行為が行われているかを把握
03
臨床検査値を用いて長期的な安全性モニタリングを実施
RWDを活用したリスクの早期確認
- 対象集団の分母化:処方患者数や検査実施患者数などをベースに、対象となる集団を定義
- 定期的な状況確認:これらを通じて、潜在的なリスクをいち早く確認することが可能
ここからはMDVのリアルワールドデータの特徴をさらに詳しくご紹介しています。
MDVのRWDとは4
RWDの種類は定量・定性で大別
RWDには、DPCデータやレセプトデータなどの「構造化データ」と、カルテ記録や患者報告(PRO)などの「非構造化データ」に大別され、それぞれ特徴があります。
構造化医療データ
MDV RWD定量的に分析可能な標準化されたデータ群。大規模な統計解析やトレンド把握に最適です。
DPCデータ・レセプトデータ
保険請求情報を集積。全国規模での処方実態把握や疾患患者数などの調査が可能。
臨床検査値データ
血液・尿検査値等を集積。治療のアウトカム指標や患者背景による分析に活用される。
健診データ
主に保険者DBに付随。健診結果による受診動向や疾患の罹患率の調査に適している。
非構造化・対話型データ
テキストや主観的評価を含む定性データ。構造化データでは見えない臨床の背景や患者QOLを補完します。
カルテ臨床所見データ
医師の科学的・客観的データ。治療の開始や変更等の意思決定を確認するために活用。
患者報告(PRO)
患者さんの心情やQOLを推し量るデータ。ペイシェントジャーニー作成において活用。
PHR(パーソナルヘルスレコード)
患者さんおよび生活者の日常・生活習慣を蓄積したリアルデータ。発症予防・重症化防止や、診療時間外における症状・行動変化の追跡に活用。
MDVのRWDとは5
RWD分析のメリット・注意点
医薬品の戦略立案には、RWD・プライマリーリサーチを目的に応じて使い分けることが不可欠です。中でもRWDは日常の診療実態を反映したデータであり、試験設計の効率化から上市後の安全性評価、市場浸透に向けたエビデンス構築まで、全フェーズで意思決定を支えます。
非常に大きい(数千~百万人規模)
小~中規模(数十〜数百例程度)
長期追跡が可能(保険種別問わず追跡可)
期間・設計による(個人の経時的変化は見えずらい)
制限あり(請求・診療行為データのみ)
柔軟に取得可能(処方理由・QOL・意識など)
解析設計次第(既存データの二次利用)
ダイレクト(RQに合わせた設問設計)
高い(解析手法の妥当性に依存)
主観が含まれる(思い出しバイアス等)
市場調査/疫学調査/市販後調査/仮説検証
処方意向調査/患者満足度/PRO研究
高齢者や合併症を持つ患者さんなど、RCTでは除外されがちな患者さんにおいても、実臨床での実態を補足できる
医師や患者さんの意識や心情を収集でき、アンメットニーズの発掘、インサイトの導出に長けている
治療と結果の因果関係を分析するのが難しい
治療選択の意図を分析することができない
質問内容によって恣意的な情報になる可能性がある
回答者の記憶や思い込みでバイアスがかかりやすい
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