コラム

「MDVのできること(後編)」 MDV Inside 第2回

それでは次にデータ利活用に関するお話をお伺いしたいのですが、まずどのように製薬会社の皆さまから信頼を獲得したと思っていますか?

中村

事業開始時点では、そもそもお会いできない、アポイントメントが取れない、どうやったらアポが取れるのか?そこがすごく大変でした。
いろいろな雑誌を読みましたし、学会に出られている製薬企業の方や大学の先生に「雑誌や学会の発表を見ました!」と、電話をかけまくっていましたね。本当に1日100件近く電話していました。
当時は先方が話していることが何も分からなかったですね。今までの病院と経営関係と違って、違って、製薬会社や大学の先生という薬や疾患に関してのスペシャリストとお会いするので、当時はお話頂いている内容がマーケティング用語を含めてまったく分かりませんでした(笑)。
いかにそれを分かっている風に会話をして、分からない言葉は全てメモして話の間をつなげて、を繰り返して、勉強して自分自身のレベルを上げていくところから始めた感じでした。

現在の営業スタッフに関してはデータをきちんと理解した上でこういう時にはこういうことをやるべきだと体系立てて伝えられているのですが、
当時は本当に一個一個、詳しくなっていきながら、たとえ間違えてもいいからまずは提案をしてみる、そして間違いは修正してまた提案する、それの繰り返ししかなかったですね。

製薬会社の方から怒られた経験とかありますか?

中村

製薬会社の方からは当時正直にいつも「間違えていたらすみません」とお伝えしたうえでいろいろな提案をしていましたので、そういう意味ではあまり怒られたことはなかったですね。
怒られた経験で言えば、私の前任の事業責任者、社外役員の方だったのですが、その方にはいつもめちゃめちゃ怒られていました。
その方から「このデータの集計って何でこんな感じでやっているの?もっとこうできるのではないか?」って言われまして、心の中では『いやいや、そもそもあなたの指示ですよ』と思いながらもおっしゃっていることも分かるので、「では今後はご指示いただいた集計と自分が思う集計の両方出します!」と偉そうに言いつつ、毎回、私は自分の考えた集計内容を優先してプレゼンするもので、「お前生意気だっ!」と何度も怒られましたね(笑)。
でもありがたかったのは、その方の次の事業責任者を決める役員会の中で、私ではない方が候補に出ていたそうなのですが、その方が私を強く推してくださったと聞きまして、とても嬉しかったですね。今でもその方とは仲良くさせていただいています。

その頃製薬会社向けの営業担当であるEBM推進部の部員に対してどういう思いで教育していましたか?

中村

立ち上げ当初はEBM推進部ではありませんでした、事業企画部の中にある新規事業のユニットで、EBM推進部が部門として立ち上がったのは多分そこから2年後ぐらいです。
当時はスタッフがおらず、途中から松林(現EBM本部長)が加わって二人三脚でやっていきました。

EBMとは

当時よく言っていたのは、お客さんも医療データをどう使っていいのかが分からないので、その段階でのお客さんが「こういうことをやりたい」と言う言葉をそのまま受け取って信用するなと話していました。
どういうことかというと、まずやりたいことがあったら、まず社内でどのように話を通して、その集計結果をどう使いたいのか、そして最終的なゴールとしてどうなったらお客さんが望む幸せな結果になるのかというゴールまでを常に確認するようにし、何か尋問のような営業しながら本当に必要なものを提案するようにしていました。

中村さんは製薬会社とのつながりと同じぐらいアカデミアの先生方とも強い関係をお持ちかと思います。アカデミアの先生方との信頼・関係作りはどのように得ていったのでしょうか?

中村

先生方がやりたい研究に関しては、真摯に向き合うことは意識しています。通常だと病院さんとの契約に抵触するギリギリでこのデータは出せないけど、ここだったらなんとかいけるかもしれない、ビジネスの範囲であればギリギリ過ぎて切り捨てないといけないところに対しても、臨床上の価値があるのだったら、と都度検討し、向き合ってきたところはあるのかもしれないですね。

中村さんと以前希少疾患を研究される先生とお会いしたときに、希少疾患の子どもさんを対象とした研究について、先生がご自身の社会的な責任として取り組まれている、その熱い思いを語っていただき、その辺りのお話は先生と中村さんの関係性から引き出されていると感じました。結局、その件は当社のデータでは実現できない内容でしたがああいった関係性は大事ですね。

中村

あの時多分私もお会いしたのは2回目くらいでした。たしかある新聞の記事を読んで、私からお話を伺いたいですとメールをしまして一度、お会いしました。私は図ってそうしているわけではないのですが、短期間で人と仲良くなるのが得意でして、早いタイミングで先生方と良い関係になることができるケースは多いかもしれませんね。
多分言葉が通じる、会話ができるところ、あと先生のやりたいと考えられているゴールまで最短で持っていくという意識を常に持っている点で気に入っていただけているのかもしれないですね。

最後に今注力しているサービス、EBM推進部としてはまずDeNAさんとの連携、保険者データが挙げられるかと思いますが、それも含めてこれから力を入れていきたい点は?

中村

まずもちろんDeNAさんとの連携による保険者データについては注力して進めてまいります。
そして個人的には少し先の話にはなるのですが、今までだったらわからないようなデータをどうきちんと集められるかが大事だと思っています。今回の我々が提携したWEB問診などを展開するレイヤードさんなどもそうですが、問診の情報があれば、例えば精神疾患の中枢神経(CNS)系患者さんがどういう背景でその病院に来たのかという情報がわかるだけでもプラスになると思いますし、患者さんに対して問診した後でアンケートを取ることもできる。

提供による価値創出のイメージ

今、医療需給のギャップ解消が課題になっていますが、患者さんが治療に対してどういう思いを持っているのか?ドクターがどういう思いを持っているのか?について調べられると、製薬企業の方へも臨床の効果だけでなく、患者さんがどう思っているのか?という点に寄り添えるようなデータをつくってご提供できるならとても面白そうだなと思っています。
他にはオプトインを取ったデータの取得を進めていきたいですね。
これは当社の「カルテコ」で実現できればベストですが、オプトインから患者さんのデータをどんどん集めていけると治験のリクルーティングも施設を通さずに個人に直接連絡して、「ここでこういった治験をやっていますよ」といったアプローチもできると思いますので、取り組んでいきたい点ですね。

一言でまとめるなら、「正しい情報を正しい方に届けられることができたら最高です」。

メディカル・データ・ビジョン株式会社 取締役 中村正樹

中村 正樹

2007年10月当社入社、2018年3月取締役就任。入社以来、EBM事業に携わり、データ利活用サービスを拡大・推進、その後、MDVトライアル株式会社において、当社データを活用した新サービス拡大に取り組む。現在は、アライアンス推進室長として、対外企業・組織とのオープンアライアンス戦略を進める。
当社子会社のメディカルドメイン株式会社代表取締役社長を兼任(2021年1月~)
趣味:筋トレ、ウォーキング、お祭り(神輿担ぎ)。休日:子供の水泳教室指導・河川敷で野球練習。

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